海上輸送概況レポート(2025年版)
海上輸送の構造変化が進んだ2025年。最新データを基に、海上輸送全体の動向とサプライチェーンにおける主要トレンドについて分析:
2025年の海上輸送ロジスティクスは、その限界が試される一年となりました。関税の引き上げ、ソーシング戦略の転換、そして地政学的な不安定化により、キャリア、港湾、荷主企業は絶えずリアルタイムで状況に対応することを求められました。需要の低迷を受けてキャパシティ調整や航路変更が相次ぎ、「レジリエンス」の概念そのものが再定義された一年でもあります。
project44の 「2025年 海上輸送概況レポート」 では、貿易政策、労働混乱、インフラ負荷が世界の海上輸送の流れにどのような変化をもたらしたのか、そして2026年に向けてサプライチェーン担当者が押さえておくべきポイントを深く掘り下げています。
【レポートの内容】
- 関税が貿易フローを再編:グローバルのコンテナ取扱量は年初来で13%減。一方で、米国の インドネシア・タイからの輸入は30%以上増加 し、中国依存からのソーシング戦略の変化が鮮明になりました。
- 港湾は安定化の兆しを見せるも、脆弱性は依然として残存:ロサンゼルス、アントワープ、ロッテルダムなど主要港では効率性が改善。しかし、労働争議 や インフラ負荷 によるリスクは解消されていません。
- 運河航行状況が逆転:パナマ運河は2024年の干ばつから回復し、通航量は37%増加。スエズ運河は紅海情勢の悪化により、通常の半分の水準まで減少しました。
- レジリエンスの再定義:2025年は、レジリエンスとは「安定性」ではなく、「高いインテリジェンス・迅速な判断・素早い適応力」であることを示した一年でした。