プレミアムワインやスピリッツの製造・販売を行うグローバル企業が、インターモーダル輸送の可視化によりサプライチェーンを改善

Absolut Vodka bottling plant logistics


ペルノ・リカール社、project44が提供するリアルタイム可視化を活用して、パンデミックに起因する課題を克服し、事後対応型であったサプライチェーン管理を事前対応型へと改革

アブソルート、ジェムソン、ビーフィーター・ロンドンなどのブランドを展開するペルノ・リカールは、プレミアムスピリッツ市場を牽引する世界的な酒造メーカーです。新型コロナウイルス感染症の大流行によりグローバル・サプライチェーンが混乱に陥ったことで、同社は重大な局面に直面しました。 貴重な製品を積んだコンテナが複雑なグローバル輸送ネットワーク内のどこにあるのか分からなくなり、同社は業務の管理を維持するために奔走することになりました。

ペルノ・リカールは、スピリッツやワインを生産するブランド企業と、各地域間の流通を管理するマーケティング企業で構成される複雑なネットワークを運営しています。 商品を世界各地へと輸送するネットワークは、多数のサードパーティ輸送業者に依存していました。

パンデミックが発生したことで貨物輸送の可視化に存在する重大な課題が明らかになり、将来に向けてレジリエンスを強化するためには、より高度なサプライチェーン・マネジメントの必要性が浮き彫りとなりました。

課題

ペルノ・リカールのサプライチェーンチームは、常に事後対応型の管理を行っていました。 分析担当者が毎日何時間も費やしてさまざまなキャリアのウェブサイトを閲覧してデータを収集し、スプレッドシートに貨物の輸送状況を手動で更新していたのです。 このプロセスに時間がかかっていたため、戦略計画やプロアクティブ管理を実施する余地はほとんどありませんでした。

信頼できる可視化が欠如していたため、問題が次々と発生し拡大していきました。 到着時間が予測できないために在庫管理が困難になり、遅延や緊急輸送貨物の発生によりコストの非効率が悪化しました。また、ブランドやマーケット企業、キャリア、貨物フォワーダー間でのコミュニケーション不足により、パフォーマンス検証や課題への迅速な対応が停滞していたのです。

ペルノ・リカールが限界に達したのは、担当チームが「社内リソースの多くが予防策ではなく事後対応的な火消しに費やされている」と気づいたときでした。これを機に、ペルノ・リカールは将来を見据えたソリューションを模索することになったのです。

ソリューション

ペルノ・リカールの経営陣は、単なる追跡にとどまらないソリューションが必要で、グローバルサプライチェーン業務を包括的にデジタル変革する必要があると認識していました。 ペルノ・リカールは、差し迫った業務上のニーズに対応して将来の改善に向けた基礎を築くために、project44と提携することを決断しました。 project44を活用することで以下が実現しました。

  • マルチモーダル貨物の可視化(海上輸送、FTL)
  • インターモーダル輸送全体のシームレスな可視化
  • エンド・ツー・エンドの到着予定時間(ETA)予測
  • すでにpropject44のネットワーク内にある多数のグローバルキャリアと即座に接続
  • キャリアのパフォーマンスに関する過去データ(インサイト)

ペルノ・リカール独自の要件に合わせてカスタマイズされたテクノロジーにより、以下のような複雑なグローバルオペレーション全体でのコラボレーションが促進されました。 

  • サプライチェーンチーム:貨物の追跡と混乱に備えた事前対応策
  • 顧客チーム:最新情報や質問への対処
  • ブランド企業:キャリアとの関係を管理し、パフォーマンスを分析
  • 市場企業:計画立案や倉庫管理へのデータ活用
  • 財務チーム:プラットフォームを活用して収益認識とキャッシュフロー管理を実現

project44は、当時最大のキャリアネットワークを擁していました。 project44を使用すると、インターモーダル輸送の可視化が実現します。これは、リアルタイム可視化を提供する他のプロバイダーにはできないことです。

ローラ・ゴンザレス・グティエレス氏
デジタルサプライチェーン・マネージャー

成果


project44を活用することで、ペルノ・リカールはサプライチェーン管理を改善しました。 最初の1年間で以下が達成されました。

効率性の向上

計画担当者は、週に約3時間の節約を達成し、データ入力に費やしていた時間を戦略的イニシアティブの立案・実行に振り分けることが可能になりました。

コラボレーションの強化

キャリアとの透明性が向上したことで、パフォーマンスやサービスレベルに関する生産的な会話が促進されました。

財務予測の精度向上

財務チームがproject44のデータを活用することで、収益をより正確に認識し、キャッシュフローを管理できるようになりました。 顧客と合意したインコタームズに従って、コンテナが荷揚げ港に到着する時刻を正確に把握できるため、財務予測と業務の精度が大幅に向上しました。

プロアクティブな危機管理

データの質と量が向上したことで、混乱への対応が円滑になりました。このことは、紅海危機の際に影響を受けた貨物をペルノ・リカールがすばやく特定し、ルートを変更できたことで実証されました。

project44を使用すると、キャリアが当社の指示に反して紅海を航行していないかどうかを確認することができます。 project44がなければ、実際に発生している事態をきちんと把握できなかったことと思います。

ローラ・ゴンザレス・グティエレス氏
デジタルサプライチェーン・マネージャー

今後の展望

ペルノ・リカールとproject44との継続的な協業は、基本的な可視化ソリューションにとどまらず、競争力のある高速サプライチェーンを実現する包括的なサプライチェーン変革の好例です。

成功の鍵は、ペリノ・リカールがproject44をオプションのアドオンではなく不可欠なインフラストラクチャとして位置づけており、新しい輸送パートナーに対してproject44との接続を必要条件として求めるようになったことです。 将来を見据えて、同社はproject44の機能の活動をさらに拡大し、ERPやAnaplanなどのシステムへのデータ連携を一層自動化することを通じて手作業のタスクを減らし、戦略的な優先事項への集中を強化していきます。

高速サプライチェーンを構築しましょう