サマリー
- UAEの港湾は飽和状態 — 迂回の58%が湾岸内にとどまっています(第1週の43%から上昇)。貨物は最終市場に到達せず、ジュベル・アリ、フジャイラ、ハウル・ファッカン間を行き来しています。
- 滞留時間は危機的水準 — アブダビは48.9日、ジュベル・アリは46.9日(第1週の13.5日から上昇)。貨物の通関・搬出まで6週間超待機しています。
- 逃げ道が閉じつつある — 迂回貨物のインドでの受け入れ比率は1週間で半減(15%→8%)。クウェートでも貨物の国内滞留が進行しています。
概況
ホルムズ海峡の閉鎖から7週間が経過し、迂回データは、見出しの数値低下が示唆するものとは異なる状況を物語っています。第7週の迂回総数は5,317と、び減少しました。これは混乱期間中で最も低い週次値です。しかし、迂回の内訳は根本的に変化しています。
混乱初期には、UAE港向けだった貨物がインド、スリランカ、オマーンへうか迂回され、インド洋全体に地理的に実際再分配されていました。しかし第7週には、全迂回の58%がUAE国内で完結しており(第1週の43%から上昇)、ネットワークは貨物を外へ再配分していません。より狭いエリアへ、ますます圧縮しています。
週次の迂回総数

第7週の5,317は、混乱期間中で最も低い数値です。とはいえ、混乱前の週次ベースラインは1,075〜1,581で推移していたため、7週目は低水準といっても迂回は平常時のおよそ3.5倍です。ただし、より重要なのは、以下で示される校正の変化です。
迂回貨物が実際に向かっている先

UAEの数値は特に注目すべき点です。混乱が始まった直後、キャリアがインド洋全体で貨物の迂回に奔走していた第1週でも、迂回の43%はUAE国内でとどまっていました。適応が進んだはずの7週間後、その割合は58%に上昇しています。ネットワークは他地域でキャパシティを増やしたのではなく、他地域のキャパシティが尽きたのです。
インドの低下も同様に重要です。第5週と第6週には、インドが迂回貨物の12〜15%を吸収していました。第7週には、迂回総数自体も減少する中で、その割合が8%まで低下しました。ナパシェバ港のTSP1(トランシップメント)滞留は14.0日、ムンドラ港は13.6日、ピパバブ港は24.6日です。これらの港はまさに湾岸からの迂回貨物が到着する地点であり、トランシップメント(積み替え)地域で混雑が深刻化しています。
滞留時間の推移:第1〜第7週
主要港における輸入滞留:

ジュベル・アリは混乱期間中、毎週例外なく過去最高を更新し続けています。第1週の13.5日から第7週は46.9日へと増加。7週間で3.5倍の増加で、下がる兆しはありません。現在の増加ペース(週あたり約5〜7日)が続くと、5月末までにジュベル・アリの輸入滞留は60日を超える見込みです。
主要港におけるトランシップメント滞留:

ピパバブ港のトランシップ滞留は第5週に36.7日でピークを迎え、その後24.6日まで低下しており、実質的な改善です。コロンボ港のトランシップ滞留も第5週以降低下が続き、現在は9.1日で、混乱前の水準に近づいています。これら2点は前向きに解釈できます。一見すると、中継ノードには緩和が波及しつつあると読めます。
しかし、その緩和の理由が重要です。第7週において、ピパバブとコロンボが受け入れているのはより少ない貨物であり、混雑が解消したからではありません。迂回貨物に占めるインドの割合が15%から8%へ低下し、スリランカも1%未満へ落ち込んだためです。これらの港湾での滞留改善は、ネットワークが健全化した結果ではなく、貨物がUAEへ逆流し崩れ込んだ結果です。
注視すべきシグナル
迂回件数の減少は、このデータでは直接測定できない要因を一部反映している可能性があります。すなわち、荷主が混乱が起こった事後に迂回させているのではなく、出発地の段階でホルムズ回避を織り込んで計画していることです。閉鎖が一時的ではないと明らかになった第3週以降に確定した航海は、そもそも「迂回」としては現れません。単に湾岸向けのデータに入らないだけです。
この変化と整合するデータ上の兆候は3つあります。ジェッダは現在、1日あたり7.7回の寄港(混乱前ベースライン比で30%増)を受け入れており、危機前よりも寄港が増えています(先週より増えたというだけではありません)。キング・アブドゥッラー港では、第7週に到着したTEUの62%が海上輸送で転送されずに港内に留められており、ジェッダ〜リヤド回廊を通じてサウジ内陸部および湾岸沿いへ湾岸沿岸へ向かう陸上輸送への振り替えと整合しています。また、サララ港の純TEUフローは、第5週の+27,366の積み上がりピークから第7週には−20,396へ反転し、受け入れ量を大きく上回る量を外に送り出している状態ーつまり、港に留まっていた貨物を一気に吐き出しています。湾岸の積み替えルートが実質的に閉鎖される中、この流出は紅海方面(西向き)への流れを示唆しています。これらはいずれも単独では決定的ではありません。
7週間のデータが示すこと
7週間が経過し、パターンは明確です。第1〜第4週にかけてはネットワークが外側へと拡散し、貨物はインドやスリランカに到達していました。一方で第5〜第7週はネットワークが内側へと収縮しています。インド洋の中継港が満杯となり、キャリアは最寄りのUAE代替先—フジャイラ、ハウル・ファッカン、シャルジャ—へ貨物を振り向け、そこが埋まると次に近い先へ回しています。フジャイラ→ハウル・ファッカン航路は最も顕著な例で、第7週は496件の出荷があった一方、最初の4週間はゼロでした。これは新たなキャパシティではなく、二次的な混雑にほかなりません。
ジュベル・アリの輸入滞留46.9日も同じことを示しています。港は解消しているのではなく、滞留が積み上がっています。
仮に海峡が再開されたとしても、状況はすぐには解消しません。47日にも及ぶ滞留は、フルキャパシティでも解消に数週間を要し、キャリアが行った構造的なスケジュール変更も一夜にして元には戻りません。



